最大限の効果を引き出す、
正しい「昼寝」の仕方7選



前のページでは、
昼寝に、すばらしい効果がある事について、お伝えしました。

では、こうした“昼寝がもたらしてくれる効果”を最大限に引き出すには、
どのように昼寝をすれば、いちばん良いのでしょうか?


何分くらい、昼寝をすれば良いのか?
何時ごろに、昼寝をすれば良いのか?

まずは「何分くらい、昼寝をすれば良いのか?」
「何時ごろに、昼寝をすれば良いのか?」という2つの疑問から、
解決したいと思います。

専門家の見解を、まとめてみると、
昼寝というものは短めに、
具体的には「10分間〜30分間」くらい寝るのが良いようです。

また、昼寝をする時間帯としては、
大体「12時〜15時」までの間に眠ると良いようです。

でも、ここでは早計に結論を出すのではなく、
まずは専門家の意見を、 1つ1つ、ご紹介していきたいと思います――

「昼寝で最も大切なのは、浅い睡眠にとどめる事です。
深く眠ってしまうと、起きた時に頭がボーっとして、
覚醒レベルが下がってしまいます。
30分以上寝てしまうと、深い睡眠が出やすくなってくるので、
高校生や大学生では10分〜15分
働き盛りの中高年であれば15分〜30分
お年寄りであれば、少し長くて30分〜60分以内というのが、
昼寝の時間の目安になります。
また、昼寝は眠気が強まる14時前にとるのが最も効果的で、
夕方近くになると、夜間の睡眠に悪影響を及ぼすので、
遅くとも16時までには済ませましょう。」
(久留米大学医学部・神経精神科の内村直尚(うちむら なおひさ)主任教授)
(九州朝日放送)

14時〜15時くらいに、
20分〜30分の軽い昼寝をする事を、お勧めします。」
(リズム新横浜 睡眠呼吸メディカルケアクリニックの白濱龍太郎医師)
(ビジネスジャーナル)

「人は体内時計のリズムの関係上、14時ごろに最も眠気を感じるので、
12時〜15時の間20分未満の昼寝をすると、
眠気が取れて、午後の作業効率が上がります。
ただし、20分以上は眠りが深くなり、
スッキリと起きられず、作業効率は下がってしまう。
あと、15時以降に寝ると、夜の寝付きが悪くなるので、注意が必要です。」
(快眠プロデューサーの岩田有史さん)
(web R25)

「お昼休みなどを利用して、
デスクで15分ほどウトウトしてみては、いかがでしょう?
ただし、30分以上、寝てしまうと眠りが深くなり、
脳や体の機能が目覚めるのに、時間がかかってしまう事があります。
また、15時以降に眠ると、夜の睡眠に影響するとも言われます。
つまりベストな昼寝は、14時までに、15分という事になりますね。」
(睡眠改善インストラクターの竹内由美さん)
(web R25)

15分〜20分程度の、短いお昼寝は良いですが、
1時間以上寝てしまうと、
生体リズムに、かえって悪影響を与えてしまう場合もあります。」
(ロフテー快眠スタジオ・睡眠改善インストラクターの矢部亜由美さん)
(Excite Bit コネタ)


まとめ

いかがでしたでしょうか?
これらの専門的な意見をまとめてみると、 こんな結論になるのかもしれません――

・何分くらい、昼寝をすれば良いのか?
答え……
10分間〜30分間くらい寝るのが良い。
30分〜1時間以上、寝てしまうと、
眠りが深くなり、スッキリと起きられず、
作業効率が下がってしまうなどの悪影響が出る恐れがある。
(ただし年令により、 昼寝の時間の目安には、違いがある。)

・何時ごろに、昼寝をすれば良いのか?
答え……
大体12時〜15時までの間に、眠ると良い。
15時以降に、昼寝をしてしまうと、
夜の睡眠に影響し、夜の寝付きが悪くなる可能性がある。


どんな姿勢で、昼寝をすれば良いのか?

昼寝をする時には、どんな姿勢で眠ったら、一番いいのでしょうか?
次に、この疑問について、解決したいと思います。
まずは専門家の意見を、 いくつか、ご紹介していきます――

「(昼寝は)熟睡しにくい体勢で寝ること。
デスクに枕を置き、うつぶせになるくらいが良いでしょう。」
(快眠プロデューサーの岩田有史さん)
(web R25)

「昼寝で最も大切なのは、浅い睡眠にとどめる事です。
深く眠ってしまうと、起きた時に頭がボーっとして、
覚醒レベルが下がってしまいます。
昼寝を浅い睡眠にとどめるには、 まずは姿勢が大きなポイントになります。
イスに座って、机にうつ伏せになった姿勢で、昼寝をしましょう。」
(久留米大学医学部・神経精神科の内村直尚(うちむら なおひさ)主任教授)
(九州朝日放送)

「(昼寝をする際に)横になってしまうと、本格的な睡眠になるので、
ソファに身体をもたせかけたり、机に伏せたりするのも良いと思います。」
(ロフテー快眠スタジオ・睡眠改善インストラクターの矢部亜由美さん)
(Excite Bit コネタ)

今ご紹介した専門家の方たちの意見を、まとめてみると、
昼寝をする際の姿勢としては、
机に、うつ伏せになった姿勢などが良いようです。


昼寝をした後、スッキリ目覚めるための「5つの方法」

昼寝をしたのはいいけど、起きた後、目覚めが悪く、
やたらと眠くて、頭がボーとしてる。
こんなんじゃ、仕事も勉強も、はかどらない――

そんなヨレヨレの状態にならないためには、どうしたら良いのでしょうか?
昼寝をした後、スッキリと目を覚ますには、
どんな方法が、いちばん効果的なのでしょうか?

その答えとしては、
“文部科学省によって行なわれた研究”が、参考になると思います。

この研究では、学生10人に、15分の昼寝をしてもらった後で、
「洗顔」や「コーヒーの摂取」など、
“目覚めに良いとされる行為”を試してもらいました。

そして、その効果を確かめるため、
脳波を測定して、“眠気の残り具合”を調査しました。

そうした調査の結果、明らかになった“最も眠気が取れる方法”は、
“昼寝の直前に、コーヒーを飲んで、
目が覚めたら、通常よりも明るい照明を浴びる”というものでした。
(nikkei BPnet)

この他にも、「『昼寝からの目覚め』を良くする方法」については、
以下のページに、専門家の意見が、掲載されています。

スッキリ起きる!効果的なお昼寝法(web R25)
15分睡眠で、眠気予防の「チョイ寝」――寝る前カフェインがコツ(NEWSポストセブン)
とっても健康らんど(九州朝日放送)
寝過ぎない昼寝法って?(Excite Bit コネタ)

これらの情報を、まとめてみると、
昼寝をした後、スッキリと目を覚ますには、
次のことを試してみると良いようです。

1、昼寝をする前に、「カフェイン飲料(コーヒー、紅茶、日本茶など)」を飲む。

そして目が覚めた後で、以下の事を行なってみましょう――

2、通常よりも、明るい照明を浴びる。

3、明るい場所で、体を少し動かす。

4、耳を引っ張る――
耳の上部を上に、中央を横に、耳たぶを下に、引っ張る。

5、「親指」と「人差し指」を使って、「左右の目頭にあるツボ」を押す。


1の「コーヒー、紅茶、日本茶などを飲む」という事については、
起床した後に飲むのではなく、
「昼寝をする前」に、飲むようにしましょう。

なぜ「昼寝をする前」なのかというと、
コーヒーなどに含まれている「覚醒物質のカフェイン」は、
効果が出るまでに、約15分〜30分程度かかるからです。

つまり、20分くらい昼寝をする場合、
昼寝から目が覚める頃に、ちょうど覚醒物質のカフェインが効き出して、
昼寝からの目覚めが良くなる、というわけです。

そういう事ですので、昼寝をするのであれば、
一緒にカフェイン飲料を飲むようにした方が、良いと思われます。

ちなみに、イギリスのラフバラ大学の研究によると、
「昼寝」と「カフェイン」の、どちらか一方だけをとった場合に比べると、
「昼寝」と「カフェイン」の両方をとった方が、
心身を、よりリフレッシュできる、という事です。
(ライフハッカー)


昼寝が出来ない場合の対策

昼寝をすれば、心も体もリフレッシュできて、仕事も勉強も、はかどる。
そうは分かっていても、そこは忙しい現代人、
昼寝をする時間すら、なかなか取れない事だってあります。
また、会社内では、昼寝をするのが難しい場合だってあります。
そんな時には、どうすれば良いのでしょうか?


たった「1分間の仮眠」でも、大きな効果があります

昼寝をしたいけど、
今は、20分くらいの昼寝をする事ができない――

そんな時は、「1分間の仮眠」を取ってみては、いかがでしょうか?
もちろん、たった1分間では、熟睡するのは難しいでしょう。

でも、医学博士で、日本睡眠学会会員の坪田聡(さとる)医師によると、
熟睡しなくても―― 目を閉じて、ウトウトするだけでも、仮眠の効果があるそうです。
坪田医師は、この「1分間の仮眠」をオススメしています。

時間がない時には1分間、目を閉じているだけでも、
脳は休息できて、その後の活動がシャープになる――
そのように坪田医師は述べています。

坪田医師によると、 目を開けているだけで、脳には大きな負担となるそうです。
なぜなら目を開けていると、自動的に様々な情報が入ってきてしまい、
脳は、そうした情報を、処理しなければならないからです。

そこで、たった1分間でも目を閉じていれば、
その間、そうした情報処理作業から脳を解放し、
脳をクールダウンさせる事ができるそうです。

つまり、「熟睡」しなくても、 脳を休息させることは可能、という事のようです。
([ガジェット通信][ZAKZAK][ウーマンエキサイト])

久留米大学医学部・神経精神科の内村直尚(うちむら なおひさ)主任教授も、
次のように述べています。

「寝付けない時は、無理に眠らなくても、目を閉じて安静にしたり、
イスに座ったまま、数分間まどろむだけでも、
脳の疲れを回復させるのに、大きな効果があります。」
(九州朝日放送)


電車の中で、目を閉じてみる

オフィスでは、昼寝をする事ができない――
そんな場合には、移動中の電車の時間を、 有効に使ってみては、いかがでしょうか?

「電車での移動中に、目を閉じるだけでも、
脳は十分リフレッシュできますよ。」
(久留米大学医学部・神経精神科の内村直尚(うちむら なおひさ)主任教授)
(web R25)

「(勤務中に昼寝するのが難しい場合は)
移動中の電車内で、少し眠るとか、
ほんの短時間でもいいので、眠って下さい。」
(リズム新横浜 睡眠呼吸メディカルケアクリニックの白濱龍太郎医師)
(ビジネスジャーナル)

ほんの細切れの時間を活用して、とりあえず目を閉じてみる。
あるいは、少しだけウトウトしてみる。
それだけでも、脳の疲労を回復させる事ができるのなら、
試してみる価値は、十分あるのではないでしょうか。


最大限の効果を引き出す、正しい「昼寝」の仕方7選

さて、ここまで昼寝の仕方について、 色々とご紹介してきました。
最後に、正しい?「昼寝」の仕方について、まとめてみようと思います――

1、昼寝をする前に、「カフェイン飲料(コーヒー、紅茶、日本茶など)」を飲む。

2、昼寝は、大体「12時〜15時」までの間に眠る。
なるべく「15時」以降には、昼寝をしない。

3、眠るのは、「10分間〜30分間」くらい。
なるべく「30分〜1時間」以上、寝ないようにする。
(ただし年令により、 昼寝の時間の目安には、違いがある。)


4、普通に昼寝が出来ない場合には、1分間だけでも良いので、
目を閉じてみる。ウトウトしてみる。

5、机にうつ伏せになった姿勢などで、昼寝をする。


目が覚めた後で、次の事を行なう――

6、通常よりも、明るい照明を浴びる。

7、明るい場所で、体を少し動かす。



次のページでは、
外国と日本における、昼寝の習慣」について、お伝えしたいと思います……

欧米では、 「グーグル」「ナイキ」「ブリティッシュ・エアウェイズ」などの有名企業が、
「昼寝」の制度を導入しています。
また、アメリカ海兵隊は、パトロール前に、
必ず「パワーナップ(10分〜30分くらいの短い仮眠)」をする事を 義務づけています。
日本でも、「昼寝」の制度を導入する企業が、現れました。

次のページ……外国と日本における、昼寝の習慣――シエスタ、パワーナップ


↓「昼寝」についての記事(全4ページ)↓

昼寝の、すばらしい効果・効用(1ページ目)
最大限の効果を引き出す、正しい「昼寝」の仕方7選(このページです)
外国と日本における、昼寝の習慣――シエスタ、パワーナップ(3ページ目)
人間の体は、1日2回、眠るように出来ている?(4ページ目)


↓「睡眠」についての記事は、コチラ↓

理想の睡眠時間は?――人間は、1日何時間、眠れば良いのか?


【参考文献】
とっても健康らんど(九州朝日放送)
“良質な”睡眠術――仕事で忙しい人のためのコツ(ビジネスジャーナル)
若手サラリーマンの4割は、「会社でお昼寝」習慣アリ!(web R25)
正しいお昼寝の作法とは?(web R25)
寝過ぎない昼寝法って?(Excite Bit コネタ)
仕事中の眠気に負けよう!「20分の昼寝」のススメ(nikkei BPnet)
「理想的な昼寝」を科学する(ライフハッカー)
仕事中の眠気に対処する「仮眠」のコツ(ガジェット通信)
「1分の仮眠」で、脳も体も冴えわたる!(ZAKZAK)
寝不足のときの強い味方「1分仮眠法」(ウーマンエキサイト)
1晩分の効果!?昼寝のスゴイ効能(web R25)



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